日本市場で成果が出ない

本社のマーケ施策、分けるのは中身で揃えるのは数字

本社のマーケ施策、分けるのは中身で揃えるのは数字

本社から四半期ごとにグローバルキャンペーンが降りてきます。日本チームは毎回「そのまま流すか、日本向けに作り直すか」を決めている。

この問いの立て方が、揉める原因です。

合わせるか分けるかは、施策ごとに決めるものではありません。層で決まっています。分けるのは中身と暦、揃えるのは数字。ここを先に合意しておくと、施策ごとの議論はほぼ消えます。

揉めるのは施策の中身ではなく、「ローカライズ」の意味が二つあるから

本社が揃えたいのは、ブランドの見え方と、取締役会に出すレポートの数字です。日本が分けたいのは、配る資料の中身と、打つ時期です。

両方とも正しい。そして両方が「ローカライズ」という同じ言葉を、別のものを指して使っています。本社にはブランドを崩す要求に聞こえ、日本には現場を知らない指示に聞こえる。施策単位で議論すると、毎回この食い違いをゼロから踏みます。

だから先に決めるのは、どの施策を分けるかではなく、どの層を分けてどの層を揃えるかです。

日本の買い手が判断に使った材料は、本社が作れない側に寄っている

IDEATECHと北川裕康氏の共同調査の第2弾(2026年6月9日公表、調査期間2026年5月25〜26日、有効回答330。年間契約金額500万円以上のB2B商材の導入に2名以上で関与した人が対象。調査PRのため桁感として読んでください)で、判断材料として助かったコンテンツの1位はROI計算シミュレーター55.4%、2位は自社業界・類似規模の成功事例46.5%でした。

同じ調査で、購買判断に影響しなかったものの上位は、一般的な業界動向レポート49.5%と機能比較表46.2%です。

本社のグローバルキャンペーンの中身を思い出してください。業界トレンドのレポート、競合との比較表、グローバル大手の導入事例。影響しなかった側に、きれいに並びます。

第1弾(2026年4月16日公表、n=307)でも方向は同じで、業界に特化した情報が決め手または後押しになった人が62.5%、選ばれた理由の1位は「似た規模の事例があった」44.3%でした(この設問のみn=298)。

似た規模の日本企業の事例と、日本の買い手が自分で回せるROIの試算。どちらも本社は作れません。日本にしか作れない。ここは分けるのではなく、最初から日本が作る前提で計画に入れる領域です。

営業に会う前の材料まで含めて収益の構造を設計する考え方は、レベニューアーキテクチャとはにまとめています。

暦も分ける。本社の四半期は、日本の予算の年度と噛み合わない

東証マネ部(日本取引所グループ運営)が2023年3月に掲載した野村證券投資情報部の解説によると、東証プライム上場企業の68%が3月決算です。12月決算は13%にとどまります。

本社が12月決算なら、第4四半期の追い込みは10〜12月に来ます。その時期、3月決算の日本の買い手は翌年度の予算要求をまとめている最中で、今年度の枠はもう動きません。第1弾の調査で検討期間は3〜8か月が63.6%ですから、10月に始めた施策が翌年度の予算に載る可能性はあっても、本社の第4四半期に受注として返ることはまずない。

これは日本チームの実行力の問題ではなく、暦の問題です。本社のキャンペーンカレンダーに合わせて日本で同じ時期に打つと、効果が出ないのではなく、効果が出る時期が本社の集計期間の外に落ちます。打つ時期は分けてください。

揃えるのは数字の線。ここまで分けると日本は本社から読めなくなる

分けていいのは中身と時期まで、と線を引く理由がここにあります。

中身を分けた勢いで、フォームの項目、ライフサイクルステージの定義、キャンペーンと商談の紐づけ方まで日本独自にした会社を、何度も見てきました。半年後に本社から見ると、日本だけ数字の意味が違う。読めない数字は評価されず、評価されない市場の予算は削られます。中身を分けたことではなく、定義を分けたことで、日本の予算が切られる。

揃えるのは3つです。日本のKGIを本社と同じ一文で持つこと。ライフサイクルステージとリードの定義を本社と同じにすること。キャンペーンから商談、受注までを同じ項目で紐づけること。中身が日本独自でも、この3つが同じなら、本社は日本を他の市場と同じ表で読めます。

本社の施策に合わせるか分けるかは、施策ごとに決めません。分けるのは中身と暦、揃えるのは数字の定義と紐づけです。中身を分けた瞬間に定義まで分けると、日本は本社から読めなくなります。

今週やるなら、直近のグローバルキャンペーン1本を取り出して、日本で差し替えた資料の一覧と、その施策に付いているキャンペーン項目・ステージ定義が本社と同じかを1枚に並べてください。差し替えた資料が少なく、定義が違っているなら、分け方が逆です。

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中身を分けるときに何から作るかは、買い手が営業に会う前に自分で確かめる項目から決まります。日本語化を製品ページから始めて、問い合わせが増えなかったに、その順番を書きました。

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