商談が進まない・受注が読めない

商談が「検討中」のまま動かないときは、ステージの定義から疑う

商談が「検討中」のまま動かないときは、ステージの定義から疑う

パイプラインを見ると、案件の多くが「提案中」や「検討中」に溜まっている。

営業に聞くと「先方待ちです」と返ってくる。この状態が続くとき、原因は営業の追客不足ではなく、ステージの定義そのものにあることが少なくありません。

なぜ「検討中」に案件が溜まるのか

多くの組織は、商談ステージを営業の行動で定義しています。「初回訪問済み」「提案書提出済み」「見積提出済み」。

この定義の問題は、顧客側で何が起きているかを何も語らないことです。

見積を出した後、顧客社内では比較検討、上長への説明、稟議と、複数の工程が進みます。

ところが営業行動ベースのステージでは、これらが全部「見積提出済み(先方検討中)」の一括りになります。案件が止まっているのか進んでいるのか、パイプラインからは判別できません。

日本のB2Bでは、この「見えない区間」が特に長くなります。

IDEATECHと北川裕康氏の共同調査(2026年4月公表、n=307。300万円以上のB2B商材購買に2名以上で関与した会社員・経営者が対象)によると、発注までの承認が2段階以上の企業は8割を超え、検討開始から発注先決定までは3〜8か月の企業が63.6%を占めます。

さらに、営業と本格的にやり取りが始まった時点で、購買プロセスは平均約40%進行済みです。

営業の行動でステージを切ると、顧客の旅路の前半4割と、後半の社内合意の区間が、両方とも視界から消えます。

解決策: ステージを「顧客の状態」で定義し直す

手順は3つです。

1. 顧客が通る状態を書き出す。 認知した、課題を言語化した、候補を2〜3社に絞った、担当者が社内説得を始めた、決裁が下りた。

自社の営業行動は一旦忘れて、顧客側の出来事だけを並べます。

2. 各ステージの「完了条件」を顧客側の事実で書く。 「提案済み」ではなく「顧客が候補を絞り、自社が最終候補に残っている」。

判定に迷わない事実ベースの条件にします。

3. 「社内合意形成」を独立したステージにする。 日本のB2Bでは、担当者の納得と会社の決定の間に稟議という工程が挟まります。

ここを独立させると、「検討中」に見えていた案件の大半が、実は稟議のどこで止まっているかまで見えるようになります。

よくあるつまずき

  • ステージを増やしすぎる。 7段階を超えると、営業が選ぶのに迷い、入力の質が落ちます。5〜6段階が目安です
  • 定義を変えただけで運用を変えない。 完了条件を初回商談のヒアリング項目に落とし込まないと、判定できないステージが生まれます
  • 過去データを無理に移し替える。 進行中の案件だけ新定義で付け直し、終了済みの案件は触らない方が早く回り始めます

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