商談が進まない・受注が読めない

確度90%でも、決裁が止まっている商談は予測から外す

確度90%でも、決裁が止まっている商談は予測から外す

「確度90%」と入力された商談が、四半期の最後に揃って翌期へずれる。営業の見立てが甘いからではありません。確度が、営業側の手応えだけで決まっているからです。

営業の進捗とは別に、決裁がどこまで上がったかを測る2本目の軸を持ってください。

役員の承認に届いていない商談は、確度に関係なく今期の予測から外します。

予算は増えているのに、決める人には届いていない

ProFutureとマクロミルが2026年2月3〜4日に実施した調査(n=103、BtoBマーケティング関連業務に従事する会社員。BtoBマーケティング支援を手がける事業者の自社調査であり、母数が小さい点に注意が必要です)では、翌年度の予算を「変わらない」48.5%、「やや増やす」32.0%、「大幅に増やす」2.9%と、8割超が維持または増額と回答しています。

一方で、決裁権を持つ相手に「十分アプローチできている」と答えた企業は9.7%でした。

予算もリードも増えているのに、決める人には話が届いていない。CRM上は「商談中」「前向き」でも、社内ではまだ何も動いていない状態です。

資料を読む人と、判を押す人は違う

商談で好感触をくれるのは、たいてい評価する担当者です。予算を握り、最後に判を押す人には、まだ話が上がっていません。

日本ではこの距離が構造的に長くなります。

IDEATECHと北川裕康氏の共同調査(2026年4月公表、n=307。年間契約額または一括導入費300万円以上の商材に2名以上で関与した回答者に限る、大型かつ複数名関与の案件に偏った調査PRである点に注意)によれば、承認段階が2段階の企業が60.9%、2段階以上が8割を超えます。関与する部門は情報システム45.6%、事業部門37.5%、経営企画・経営管理29.0%です。

担当者のYESは、四つの承認のうちの一つでしかありません。

営業の軸と、決裁の軸を分ける

やることは、確度の精度を上げることではありません。軸を1本増やすことです。

  • 決裁の進捗を、段として定義します。 現場が賛成、部長が承認、役員が承認、決裁完了。営業ステージは今のまま残し、この軸を別に持ちます。
  • 二つの軸のうち、低いほうを採ります。 営業確度90%でも、決裁が「部長承認」で止まっているなら、今期はその段の重み(たとえば30%)で見ます。高いほうの数字に引っ張られないための線引きです。
  • 外す基準を、先に文章にします。 「役員承認に到達していない商談は今期予測に算入しない」と決めておく。パイプラインから消すのではなく、予測の対象から外すだけです。

止まった案件は、待つほど戻らない

EbstaとPavilionの共同調査(2024年、n=420万商談。海外の調査であり日本のデータではありません)では、44%の案件が期日をまたいでずれ、ずれた案件の勝率は67%下がっています。

同社の2025年調査(n=655,000商談、同じく海外)では、1か月ずれた案件の実際の勝率は13%、3か月では8%まで落ちます。

決裁が上がらないまま予測に残した商談は、翌期に持ち越されるのではなく、静かに失われます。

予測は営業確度ではなく、決裁の進捗で立ててください。

まず直近の停滞案件を1件開き、「まだYESと言っていない人」を1人、名指しで書き出すことです。名前が出てこないなら、その商談は前向きなのではなく、見えていないだけです。

パイプラインは、意思決定の進捗を管理して初めて予測になります。この考え方の全体像はレベニューアーキテクチャとはにまとめています。

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