数字が部署ごとに合わない

部署ごとに「リード数」が合わないときの、定義の揃え方

部署ごとに「リード数」が合わないときの、定義の揃え方

経営会議で、マーケティングは「先月のリードは300件」と報告し、営業は「120件しか来ていない」と言う。

どちらも嘘をついていません。「リード」という言葉が、部署ごとに別の意味で使われているだけです。

なぜ数字がずれるのか

ずれ方には典型的なパターンがあります。

  • 母数のずれ: マーケは資料ダウンロード全件を数え、営業は名刺と商談化見込みのある件数だけを数えている
  • 時点のずれ: 月初時点の集計と、月末締めの集計が混ざっている
  • 重複処理のずれ: 同一人物の複数回コンバージョンを、片方は1件、片方は3件と数えている

これは珍しい話ではありません。

HubSpot Japanの年次調査(2024年、売り手n=1,545、調査委託先マクロミル。CRMベンダーの自社調査ですが、6年連続の定点観測で設計が公開されています)では、**79%の営業組織が「データ活用で何らか困りごとがある」**と回答しており、内訳には「営業部署内のデータが適切に管理されていない」28.1%、「他部署とのデータ連携が進んでいない」24.4%が並びます。

問題の本質は、ダッシュボードでもツールでもありません。

定義が揃っていない状態でダッシュボードを作ると、「どちらの数字が正しいか」の議論が毎月発生し、数字そのものが信用されなくなります。 ここまで来ると、データを見て判断する文化自体が壊れます。

5指標に絞り、代表者が一度で決め、正とするシステムを固定する

1. 主要指標を5つに絞り、それぞれの「定義シート」を作る。 指標名、母数の条件、集計時点、重複の扱い、除外条件、そして「この数字を正とするシステム」を1枚に書きます。

リード、商談化、受注、単価、解約。まずこの5つで十分です。

2. 定義は関係部署の代表で一度に決める。 マーケ、営業、CSの代表を同じ会議に集め、その場で決め切ります。

持ち帰りにすると、部署ごとの都合が入り込んで決まりません。合意した定義シートには全員の承認を残します。

3. 「正」とするシステムを1つ決める。 同じ指標がCRMとスプレッドシートの両方にある場合、必ずずれます。

どちらを正とするかを決め、もう片方は参照のみにします。

4. 定義変更のルールを作る。 定義を変えると過去との比較が壊れます。

変更は四半期の切り替わりのみ、変更履歴を定義シートに残す、と決めておきます。

よくあるつまずき

  • ツールの導入で解決しようとする。 定義が揃っていない状態で新しいBIツールを入れると、ずれた数字が綺麗なグラフになるだけです
  • 全指標を一度に定義しようとする。 30個の指標を定義する会議は決裂します。判断に使う5つから始めてください
  • 定義を文書化せず口頭合意で終える。 人が入れ替わった瞬間に元に戻ります。1枚のシートに残すことが本体です

指標を測る前に、母数の定義を関係者で1つに揃えます。ツールもダッシュボードもその後です。

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